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ごあいさつ

薬剤師としてのあるべき生き方

~志のある人は困難を乗り越えた時に喜びを感じるもの~

 薬剤師とは何でしょうか。みなさんそれぞれ、いろいろなイメージをお持ちでしょう。
 国語辞典には「国家試験に合格し、処方箋の薬を調合する人」と記されています。確かに調剤権は、原則として薬剤師にのみ認められた権限です。その他にも薬を販売できるなど、さまざまな面で社会から優遇されています。さらに保険調剤においては、薬剤師の行為ごとに高額なフィーが定められており、その支払いまでが税金や健康保険料で保証されています。まさに社会が整備しているインフラと言ってもいいでしょう。

 我々薬剤師の大多数は、この優遇された資格を使って仕事をしています。この恵まれた環境をどう捉えるべきでしょうか。わざわざ薬科大学を出て、苦労して国家試験に合格したのだから、優遇されて当然の権利と考えるのでしょうか。それとも、これだけ恵まれた資格を使って仕事をする以上、医師や歯科医師と同様に、社会インフラとしての使命感を持つのでしょうか。 前者は労働の対価として給料を受け取るだけの、単なる職業としての薬剤師です。確かに一般の職業よりは有利かもしれません。一方、後者は社会や患者様に役立とうという、使命感や志があります。単なる職業ではなく、薬剤師としてのあるべき生き方と言えます。使命感や志のともなわない仕事は、モチベーションが継続しません。だんだんと義務感に支配されていってしまいます。毎日の仕事は忙しいだけの、苦痛なものになるでしょう。結果として、より楽でより待遇の良い職場を求めるだけになり、満足感の得られない時間だけが過ぎていってしまいます。それに対し、使命感や志を持った人は、たとえ苦しい時でも目を輝かせて生き生きとしています。大きな困難を乗り越えた時などは、何の苦労もなく過ごした時とは比べ物にならない、大きな喜びを感じるものです。そして患者様や社会、同僚から必要とされ、頼られる存在になっていくのです。
 あなたの人生の中で、薬剤師とは何でしょうか?